正十字学園町の修道院で育った奥村燐おくむらりんは、ある日突然、悪魔が見えるようになり、さらに自分の身体に〝青い炎〟が発現した。

燐は、養父・藤本獅郎ふじもとしろうから自分が魔神サタンの落胤であることを告げられ、燐の悪魔の心臓を封印した「降魔剣」を託されるが、突然のことに頭がついていかない。燐と口論になった獅郎は、一瞬の隙をつかれサタンに肉体を奪われてしまう。

燐を見つけたサタンは「虚無界の門ゲヘナゲート」を開き、悪魔が住む世界「虚無界ゲヘナ」に連れ去ろうとする。しかし、意識を取り戻した獅郎がサタンを憑依させたまま自害。さらに燐が降魔剣の封印を解き、青い炎――サタンの炎で門を破壊し、窮地を逃れたのだった。

TVアニメ『青の祓魔師』（2011年）
第1話 悪魔は人の心に棲む
第2話 虚無界の門

獅郎の仇を討つため、燐は祓魔師になることを決意。獅郎の友人を名乗るメフィストに連れられ、魔神の落胤であることを隠しながら祓魔塾に入塾する。授業初日に講師として現れたのは、なんと双子の弟・雪男だった。実は雪男は幼少期から訓練を始めており、歴代最年少で祓魔師の資格を得ていたのだ。

淡々と授業を進めようとする雪男に対し、燐は食って掛かる。ここで兄弟は本音をぶつけ合い、そして雪男は「兄を守る」という決意を新たにする。

祓魔塾には燐のほかに数名の訓練生ペイジがいるが、打ち解ける間もなく、候補生エクスワイア試験のための強化合宿へ。合宿の最中、突如悪魔の襲撃を受けてしまうが、実は抜き打ちの候補生試験だった。そしてこの裏で、燐に対する別の計画が動いていた。

ある日、学園最深部に封印されていた「不浄王の左目」が何者かに奪われたと報せが入る。緊急招集された雪男は〝悪魔落ち〟した祓魔師・藤堂三郎太とうどうさぶろうたと対峙する。

犯人の藤堂を取り逃がしてしまった騎士團は、対となる「右目」を守るため、燐たち訓練生エクスワイアも連れて京都出張所へ「右目」警護の応援に向かう。尋問後、初めて塾生たちと行動を共にすることになった燐だが、仲間との間には深い溝ができてしまっていた。

TVアニメ『青の祓魔師 京都不浄王篇』（2017年）
第1話　嚆矢濫觴
第2話　呉越同舟

京都出張所戦闘員の半数近くが「明陀宗」という宗派であり、その頭首は勝呂の父・達磨であった。なかなか事件解決に動かない達磨。明陀宗の中で不信感が募っていく中、藤堂に唆された宝生蝮が「右目」を奪い去ってしまった。

勝呂は達磨に一連の事件の真実を問いただすも、相手にされずに激昂する。勝呂を止めようとした燐は、禁止されていた炎を使い、監房に入れられてしまう。そんな燐のもとに、達磨からの手紙が届き、彼と獅郎の関係を知ることになる。

藤堂の策略によって「左目」「右目」が揃い、とうとう不浄王が復活する。これに対抗しようと、達磨はこれまで守り抜いてきた秘密――伽樓羅カルラを呼び出す。しかし、達磨は藤堂に破れ、伽樓羅までも奪われてしまう。

突如悪魔が見えるようになってしまった同級生を助けるため、解決方法を探す燐。そんな燐にメフィストは「悪魔が見えなくなる目薬」を報酬に課題を与える。一癖も二癖もある悪魔相手に燐たちは苦戦するが、チームワークを駆使して何とか突破するのだった。

悪魔にまつわる異変は正十字学園町だけでなく世界各地から報告されており、人口的な虚無界の門ゲヘナゲートまで現れた。四大騎士のひとり・ライトニングは、これらの異変の背後にあるのは〝啓明結社イルミナティ〟だと言う。

一方、正十字学園では学園祭に向けて活気づいていた。さらに、しえみが中途入学を果たし、同級生になったことに浮かれる燐。早速ダンスパーティーに誘うが……